いまどき、クリプトですか?

 

クリプトスポリジウムとは、主に牛、豚、犬猫などの哺乳類の腸に寄生する大きさ46マイクロメートルの原虫のこと。19966月に埼玉県越生町の水道水でこのクリプトスポリジウムを原因とする集団食中毒が発生して、世間に知られることになった。(以下「クリプト」と表記)クリプトによる水道水汚染事故はわが国ではこれがはじめてであったと記録されている。

この汚染事故の後の10月には、当時の厚生省が暫定対策指針を作成して、濁度管理を徹底すれば汚染を防止できることなど、応急処置も含めて全国の水道事業者に周知している。

この後、暫定指針が見直しされ、2007年には「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」として詳細に対応策が記述されている。

クリプトの原因についても家畜だけでなく野生のシカやサルなど哺乳動物が原因となることも早くから指摘されており、指針には指標菌による「汚染のおそれの判断」についても記述している。

ところで、817日の信濃毎日新聞によると、このクリプトスポリジウムが「昨年度以降、少なくとも県内6カ所の水道施設の原水で検出されたことが16日、県環境部のまとめで分かった」というのである。

いまどきクリプトですか? と驚いてばかりいられないのは、その記事で県水大気環境課がクリプトの検出原因について「(野生鳥獣が原因となっている)可能性はあるが、データや根拠がないため、はっきりとは分からない」と語ったという点である。

えっ? それが問題ですか? と私は思う。

記事を読む限りでは、県は昨年度の水道事業者のデータを見ていて今年の8月になってやっと実態を把握したと言うことであり、私はこの方が大きな問題だと思う。

原因は水源近隣の野生動物が原因であろうことを水道事業者が一番よく分かっており、、問題は検出した時点でなぜすぐに住民に公表し、対策をとっていることを知らせなかったのかと言うことである。「対策指針」に則って速やかに処理をすることも可能だったのではないだろうか。

いや、そんなことは分かっていて黙って処理をしていたと言うことなのか?

ことは地域住民の健康に関わる重大問題であり、このような情報を長期に隠したままにしていると、水道事業や水道水そのものに対する信頼を大きく損なうことを、事業者は肝に銘じていただきたいと思う。

クリプトが検出された原因をさぐるより、情報公開への対応が遅れた要因を追求する方が先ではないのか!

県は「いまどきクリプトですか」と言われるのがイヤで、ことさら問題の本質を避けているように見えてならない。

はっきり申しあげて、クリプト対策は10年前の話だ。県は小規模水道事業者に対する指導と援助をもっと真剣にやっていただきたい。

(揚げ足をとるようだが「野生鳥獣」の鳥類はクリプトの原因にはならないはず)


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