高圧洗浄機で除染ができるのか?

 福島県内で放射線量の調査を行っていて気になったことがある。主に降雨によって放射能が流出した実態を調べ、膨大な量の放射能が海に流れ出てていることや、豪雨時の河岸堆積物に大量の放射能が残存していることがわかった。
 一方で福島県内は9月21日の台風15号の豪雨をはじめ大雨が何度かあったが、空間線量自体は劇的に低下したというわけではなく、福島市や郡山市のような都市化された地域でも、降雨ですべての放射能が洗い流されたわけでもなさそうである。理由は放射性物質が空気中のチリや粘土鉱物にくっついて沈着するものの、微小粒子が目に見えないほどのくぼみに入り込んで、少しぐらいの降雨では洗い流すことができないからだ。
 そこで、除染のために高圧洗浄機を使っている様子がニュースでも報道されるのだが、本当にこれで「除染」できているのか疑問である。第一に高圧ジェットで隙間から微小粒子をたたき出すことに成功しても、周辺の空気中に飛散しているだけで一時的にその地点の空間線量が下がったとしても、周辺に再沈着してしまえば地域の沈着総量は結局のところあまり低下しないのではないかという危惧である。第二に、高圧洗浄機は少量の水で微小粒子をたたき出すことに成功しても、その後始末を考えておかなければ、結局大量の放射性物質を集積させて放置することになってしまうのである。
都市部の下水道雨水幹線下流の沈殿物から高濃度のセシウムが検出されるのは、その事例の一つである。
放射能の除染は「たたき出す」「洗い流す」だけでは完結しておらず、大気中への再飛散防止と流出物の処理を完璧に行わなければ、地域の空間線量は低下しないはずだ。
手間はかかるが、吸着フィルムの施工や側溝への吸着物質の投入など、発生源でのきめの細かい除染対策が必要ではないか。

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