「日本の海洋環境対策」に、ご指摘を受けての追加

 先日のブログ「二つのニュースから日本の海洋環境対策を考える」に学生時代の友人から指摘をいただいた。「日本、韓国、中国、ロシア、北朝鮮、とわが国からみれば海の向こうの隣国はなかなか手強い相手ばかりだが、もっと腹を割って話をしてみてはどうだろうか」の記述について
「この分析。もはや、その姿勢では「ダメ」なことが、現実に突き付けられているのではないか?」
主語のない私の文章が曖昧だったため、私の真意は伝わらなかったことをおわびしたい。
この文章中の「もっと腹を割って話をしてみてはどうか」という主語について、私は関係国の政府関係者を想定していない。EUがとりまとめた研究開発プログラムはたしかに最終的に政府間レベルでのとりまとめになっているが、私は現在の日本海、東シナ海の状況を見れば6カ国協議のような政府間交渉でスタートできるなどとはとうてい思えない。ではどうするか。政府間交渉で行えないものはNGOが国境を越えて話し合いをはじめるしかないと考えている。北朝鮮をのぞけば、環境科学の研究者レベルでは中国、韓国、ロシアとのつながりはかなり広がってきているからだ。
とはいっても、それぞれの歴史認識や自国の経済状況に対する評価はまちまちで、海洋環境に対する認識も共有できるかどうかは不透明だ。だから、「本当に海のことを心配している」関係者が集まる必要があると考えている。
調査・研究を中心にしたNGOならば一国の利害を超えて(相互利益のために)海洋環境保全のための対策を検討することが必ずできるはずだ。カネは後からついてこさせよう。

二つのニュースから日本の海洋環境対策を考える

 最近、海洋環境に関するニュースがEICネットに掲載されていた。
一つはバルト海の環境問題解決のためにEU諸国が共同で研究開発を行おうとする決定である。(下記のページで掲載)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=23368&oversea=1

もう一つは、以前にもふれたことのあるメキシコ湾原油汚染に関するもので、アメリカ海洋大気庁がメキシコ湾の漁業禁止区域を拡大したというものである。(下記ページに掲載)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=&oversea=1&serial=23372

二つのニュースとも海洋環境に関するものだが、わが国にとって貴重な示唆を与える内容であることには違いない。
メキシコ湾岸では、「漁業禁止区域の指定は、メキシコ湾産の海産物の安全性を確保する予防措置である。漁業禁止区域は現在8万6985平方マイル」としている。この面積の数字はわかりにくいが日本の感覚に直すと東京から直線距離で沿岸を600厠イ譴燭箸海蹐泙任鯀枋蠅垢譴弌△修譴蕕留茣澆ら沖合370勸幣紊泙乃業禁止区域となることを意味している。もし日本ならば漁業国としては壊滅的な打撃を受けることは間違いないだろう。
地球の裏側で起こっている事件だからと安易に考えない方がよい。一地域の汚染が地球環境にも市場経済にも大きな影響を与える今日だ。アメリカ海洋大気庁とアメリカ食品医薬品局が実施するモニタリング結果がいずれ発表されるだろうが、自分たちの問題として考えねばならない問題だ。
そんなときに出されたバルト海をめぐる多国間による共同研究開発プログラム開始のニュースは、この地域の海洋環境保全に関わってきた人々には朗報に違いない。
もともとバルト海は汚染が深刻な地域であったが、古くから各国の利害が衝突する場所でもあり、海洋資源だけではなく軍事的にもかつては航行権をめぐる争いが続いた地域でもある。
このバルト海をEU未加盟の諸国も加えて共同の輪ができたことは、バルト海の環境保全と安全にとっても喜ばしいことだ。
ひるがえってわが国をみたとき、日本海と東シナ海は経済開発と軍事利用が先行して、なかなか海洋環境保全の共同研究が進まない。日本、韓国、中国、ロシア、北朝鮮、とわが国からみれば海の向こうの隣国はなかなか手強い相手ばかりだが、もっと腹を割って話をしてみてはどうだろうか。
海洋は一人日本のものだけではないし、海洋汚染を放置したことによる被害を受けるのは日本国民だけではない。
関係諸国との友好も共同の海洋保全対策で前進させるメリットも生まれるはずだ。
バルト海の沿岸諸国もかつては戦争ばかりした敵同士の国もあるが、EUが共同学術研究に拠出する金額は7年間で5000万ユーロ(1ユーロ110円として55億円)。要は金額ではなく共通する目標に向かっての姿勢が重要なのではないだろうか。このプログラムの成果にも注目したい。







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