不安でも不健康な水には手を出さないように!

福島第一 原発から放出された放射性物質が浄水場を汚染したとして、飲み水への不安が一気に増大し、全国的にボトルドウォーターの生産が追いつかない状態になっている。そこへ「浄水器では放射性物質は除去できないのか」といった問い合わせが、メーカーなどに殺到しているそうだ。
たしかに、放射性物質も大気中を飛散するときは粒子態なので、ろ過できないことはないはずだ。ただし、家庭用浄水器はもともと放射性物質は除去対象として想定しておらず、除去は困難であろうしデータもない。現時点では逆浸透膜のメーカーが「放射性物質も除去できる」としているが、これは純水製造の機械であって飲料水をつくるものではない。
スーパーなどでこの機械を使って「水」の供給をしているところがあるようだが、要注意だ。
「純水」とは一般的に「きれいな水」と思われがちだが、水中のミネラル分をはじめ、生物の生存にとって必要な溶解物質をすべて除去したものであり、主に実験や製造業で使われるものであり飲料に適したものではない。単なるは生物にとっては「不健康な水」でなのである。飲み続けると健康上の問題があると医師は指摘している。
放射性物質の汚染は深刻で、不安でたまらないことは大変理解できるのだが、もう少し冷静に事態を考えてみて欲しい。
国民が飲料水に対する不安を増幅させるのは、政府の発表が不可解だからだ。都の浄水場などから放射性物質が検出されたことを受けた発表で「直ちに健康に影響するものではない」と言いつつも「乳児は飲まないように」という理解しにくい発表が不安の大きな要因となっている。
もともと放射性物質による健康障害などは、被害発生の確率論から出発しており100%安全なものなど絶対にあり得ないし、医療用CTスキャンの放射線でも癌発生の確率の高さを指摘する研究者もいる。(これは後日ふれてみたい)
小児科学会は「水道水中の放射性物質が乳児の基準値を超えたとしても、代替の水が確保できない場合は水道水を飲用に使用して脱水を防止することを優先すべきだ」とも述べており、現実的な判断をしている。
このような中で、東京都水道局が発表翌日からすぐに乳児向け飲料水を配布したのは、素早い行動として評価できる。
国民の側は不安な気持ちを持ったまま、不健康な生活に陥ることのないよう、科学的な評価に気をつけよう。
マスメディアは、いたずらに不安を煽動する事は慎むべきだが、だからといって非科学的な安心感をたれ流しするのはもっと不見識であり止めてもらいたい。もし、放射性物質による汚染の評価が研究者によって異なるのであれば、両論併記しておくべきである。一方的な安全評価はかえって不安を助長する。現在では原発を推進してきた研究者の間からも、自省の言葉が発せられているのだからなおさらである。
逆に国はもっと正確な科学的情報をわかりやすく伝達すべきである。
「基準を超えているが直ちに健康に影響するものではない」という発表は、将来の健康被害発生による補償裁判で国側の瑕疵を回避する口実なのではないか、と考えるのは私だけだろうか。

被災地の沿岸域汚染防止に全国の支援を

 東北関東大地震からもうすぐ3週間となる。この地震でなくなられた方のご冥福を祈るとともに、被災された多くの方に心からお見舞いの言葉をおくりたい。
このブログの掲載も、地震後に行政機関や報道機関への提案を続けていたため、大変遅れましたことをご容赦いただきたい。
まだ被災地では救援活動が続いており、国民的な支援が今後も続けられなくてはならない。
その中で、報道機関があまりふれていない被災地の環境汚染について、支援する側の注意を喚起しておきたいと思う。
今回の地震災害は内陸部の災害と異なり、沿岸域全体を崩壊させる大規模災害となっており、その後始末もわれわれがかつて経験したことのないものとなっている。
阪神淡路大震災の時、震災ゴミをそのまま野焼きしたり瓦礫の投棄などによって、沿岸域と大気への汚染が広がったが、今回は津波によってすでに沿岸域は大きなダメージを受けている。
津波の引き波によって海洋に流出した漂流物は当面やむを得ないとしても、沿岸部の瓦礫の撤去は地域の復興に欠くことのできないものである。
その震災ゴミ(つい先日まで生活していた施設をこう呼ぶのは切ないが)を処理するには、一自治体の業務としてはあまりに負担が大きすぎる。
そこで、全国の自治体が支援物資を送る車輌や船舶で、これらの廃棄物を運び出し分散して処理することを訴えたい。
どこの自治体も被災地を応援する気持ちであふれているはずだから、いまこそ勇気を持って各自治体が廃棄物処理でも支援をしていただきたい。
環境省は被災地のゴミの処理処分を被災地の自治体任せにすることなく、処分量と内容を把握して直ちに全国の自治体と協議にはいるべきである。
特に、太平洋岸にある大都市は多くの場合沿岸地域に処理施設を設置しており、被災地から船舶による搬送は有効な一方法であると考える。
物資を支援する自治体は、帰路でも何らかの廃棄物を持ち帰るように、支援先の自治体と協議すべきであろう。
沿岸域の汚染を可能な限り防止することは、それだけその地域の環境復元を早めることにになり、そのことが地域社会の素早い復興につながることは間違いない。
被災地の復興が環境汚染によって後手に回らないように、全国の自治体の英断を期待したい。

新燃岳周辺自治体への緊急援助を!

 新燃岳噴火の状況をメディアも多く伝えている。その多くは噴火の今後の予測や避難生活を余儀なくされた方々の状況を伝えるものになっている。
すでに、災害ボランティア団体も動き始め、現地には少しずつ救援の手がさしのべられている。(下記の毎日ニュース参照)


http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110205k0000e040054000c.html?inb=yt

私はいま、水に関わってきたものとして新燃岳周辺自治体への緊急援助を訴えたいと思っている。
テレビでごらんになった方も多いと思うが、大量の火山灰が新燃岳周辺に降っており、地域住民がその処理に困っている姿が映し出されている。
火山活動による降灰は大変やっかいなもので、雪のように集めて川に流せばよいというものでもない。特に都市部ではこのまま放置すると降雨時に悲惨な事態を招くおそれがある。
例えば100m四方の校庭にたった2センチの灰が積もったとすると、その量は200にもなってしまい、しかも降雨の際にはそれらの土砂が一箇所に集中して流出する。道路の側溝や雨水ます、下水管は短時間で閉塞してしまい、本来の機能は全く失われてしまうだろう。
また、雨水の最終的な集約場所となってきた河道も、流域から流入する土砂で流下断面は縮小しきわめて危険な状況が生まれる。このまま放置すると春以降に訪れる降雨時には泥流の内水氾濫や河川氾濫の危険性が大きくなることは間違いない。
したがって、面倒でもこれらの降灰は手作業・機械作業ででも収集し、袋詰めするかダンプに直接投入して処分地へ運搬するほか手はない。
道路管理者は安易に散水車等で降灰を一時的にまき散らすようなことは絶対に避けなければならない。また、降灰の適切な処分地を早急に確保しなければならない。
ただし、この面倒な降灰の処理を自治体と地域住民だけに負担できるとは思えない。日本は火山国であり一方ではその恩恵も受けてきているのだから、裏返しとしての危機管理にも国をあげて取り組まねばならないはずである。
「相撲の八百長問題」も大きな問題かもしれないが、国土と国民の安全、安心がかかった重大事態に対して、マスコミはもっと警鐘を発するべきである。単に現況を正確に伝えるだけがマスコミの役割ではなく、それによって引き起こされる事態を予測し、未然に被害を最小限にくい止めるためのアピールをもっと積極的に行うべきであろう。
全国の自治体、ボランティア団体から緊急の支援を新燃岳周辺自治体へ集めよう! 国は一刻も早く降灰の除去と地域住民の生活再建に向けて動き出すべきである。

水俣病から実効ある世界の水銀条約へ

 12月4日、東京で「水俣病と世界の水銀問題」と題するシンポジウムが開催された。
シンポの概要は下記「くまにちコム」でも報道されているのでご参照いただきたい。

http://kumanichi.com/news/local/main/20101205002.shtml

いまでは日本国民の多くがその名を知っている水俣病だが、この公害事件が公式に発表された1956年から半世紀を過ぎた今日でも、被害者の実態は明らかにされていない。国は最高裁で不作為を指摘されてもなお、被害実態の全容を解明しようとしていないことが、水俣病被害者を苦しめるだけでなく世界における水銀汚染を防止いていく上でも大きな障害となっている。
2010年の現時点で水俣病の被害者は判明しているだけで35000人を越えているが、不知火海沿岸住民を対象に考えると10万人を越えると想定されている。
このシンポジウムで、水俣病研究の第一人者である医師の原田正純氏は、水俣病の歴史を振り返りながら、水俣病の特徴を「微量の毒物が自然の循環の中で濃縮され人に中毒を起こしたという特異な発生のメカニズム」と指摘し、特に「胎児性水俣病は人類の未来に対する重大な警告であった」と述べていた。その一方で、研究者が「劇症的症状に目を向けるあまり、水俣病の認定基準を誤ってしまったのではないかと反省している」との言葉に、医師として常に現場の被害者と向き合っている氏の真摯な態度に感銘を受けた。
水俣病はまだ終わっていない。それどころか、世界の水銀汚染を防止して実効ある水銀条約を制定するためにも、水俣病の全体像を解明することは、わが国の国際的な責任であるといわねばならない。
世界でも有数の魚食国であるわが国にとって、有害物質の生態系への侵入がいかに甚大な被害を与えるものであるかを、もっと真剣に世界に向かって発信しなければならない。
来年1月に「UNEP水銀に関する政府間交渉委員会第2回会合」が千葉県幕張で開催される。
鳩山前首相は「水銀条約」を「水俣条約」と命名したいと提案したそうだが、政府は水俣病の全容を解明する責任をそんなことで逃げてはいけないと強く主張したい。


地下水汚染にもっと目を向けよう

 今年3月まで滋賀県立水環境科学館というところで館長をしていたが、そこで子どもから大人まで「暮らしと水」の話をしてきた。その冒頭で私はいつも「びわこの一番の特徴はなんでしょう?」と質問する。
大人も子どももほとんど間違いなく「日本で一番大きい湖」だと答える。
それ自体は間違いではないのだが、私は続けて「その日本で一番大きな湖が実は全部山で囲まれていることが大きな特徴なのです」と、衛星写真を見せながら説明する。
「そんなの知っている」という大人も子どもも、いざ衛星写真を見てみると、その壮大さにびっくりするのだが、「その琵琶湖に入ってくる水のうち1/4以上は地下水なのです」と言うと驚きの声があがる。琵琶湖が大渇水期にも枯れず、1万年以上も流域の人々の生活を支えてくることができたのはこの地下水に寄与するところが大きい。
これはしかし琵琶湖に限らず、わが国の地形からいえば、どこででも享受できる自然の恩恵といってよい。
しかし私たちは、この自然の恩恵が普段はあまり目にすることができないため、その動向に無頓着になっている。上下水道の普及は生活の利便性向上と河川の水質改善には大きく寄与したが、残念ながら市民の意識が身近な水環境からはずれていく契機をつくってしまっていたことも事実だ。
かつての激発的な公害頻発の時代から50年、河川や内湾の汚濁・汚染は国民監視の目の中で法的整備が進んだが、下水道の普及とともに国民の目からそれらの汚染は消えたように見えている。
だが、水質汚濁、汚染の切迫している状況の一つは、むしろ地下水に移っているといってもよいのではないか。
琵琶湖の南部、栗東市で産業廃棄物処分場の後処理を巡って、地域住民が県の提案に同意しない状況が続いているのも、最大の課題が地下水汚染を未然に防止できるかどうかという点にある。
地下水汚染は一度始まると広範囲に拡散して水質改善が困難になるだけでなく、土壌生態系から地域の生態系に大きな影響を長く与え続け、地域の人々の生活や社会経済に計り知れない打撃を与える。
私が前回のブログで口蹄疫対策での地下水問題を取り上げたのは、上記のような問題意識からである。
参考までに下記に水俣川流域の地下水汚染の現状を報告したブログを掲載した。


今も公害(水俣)は終わっていないことを、私たちは身のまわりの水環境の問題としていつも見ておく必要があると思う。

口蹄疫病対策と水

 宮崎県の口蹄疫病は全県に広がりを見せている。新内閣は「初動対応に万全を期す」といっているが、初動対応に失敗した結果がこれではなかったのか。
ところで、患畜は農水省の指針では焼却、埋却することになっているが、その場所の選定に当たって「埋却の場合は、地質、地下水の高低、水源との関係、臭気対策等を関係機関と協議する」となっている。(口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針)
しかし、今回の埋却数が一挙に増大しているいま、地下水や水源との関係をどの程度協議しているのか気になるのは私だけではないだろう。
わが国の畜産業は中山間地に多く、その意味では地下水の上流域に当たる地域が当然多くなる。また、小規模自治体が地下水データを豊富に持っているとは考えにくく、農水省は指針を出しただけで終わりするのではなく、一定規模以上の畜産業を抱える地域での地下水や水源データの収集にも力を注ぐべきだろう。後手に回った対策で補償に巨費を投じるよりも、危機管理対策として十分なデータ収集をしておく方が桁違いに安く有意義であることは歴史が教えているところだ。

メキシコ湾原油流出事故はどうなる?

 4月20日に発生したメキシコ湾での原油流出事故は、当初ニュースで大きく取り上げられていたが、最近ではほとんどわが国のメディアは取り上げなくなって いる。しかし、一ヶ月以上経過した現状はさらに惨憺たる状況であることを、世界のエコロジストはもっと警鐘を鳴らしてよいのではないか。
海洋汚染 は決して一国の問題だけではない。かつてタンカー事故をきっかけにバルディーズの原則がうち立てられたが、今回のBP社の事故処理を見る限りでは、危機管 理に対する意識は低級だといわざるを得ない。海底油田、海底ガス田開発など海洋開発花盛りだが、国際的に開発前の計画段階での厳しいチェックが必要なので はないか。

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