別所沼の再生を願って

 さいたま市の県庁そばにある別所沼は古くから近隣の人々の水辺として親しまれてきたところである。地元の方の話では、もともとは湧水などが流入する深みのある池だったようだが、今は水深2mにも満たない。周辺の環境が激変して流入量も減少し、併せて堆積物からの栄養塩類などの回帰もあって近年では気温が上昇する季節になると水の華に悩まされるようになった。
 地域の方々からご相談を受けたので池の調査をしてみたところ、たしかにアオコとユーグレナの集積でひどい状態だったが、印象としては「今ならなんとか間に合う」という感じだった。ただし、今後このまま放置すればいつでも異臭の発生や景観障害、魚類の斃死など無惨な状態にいたってしまうことは明らかだろう。
 公園管理を担当しているさいたま市の公園課は「効果があるかどうかわからないものに金はかけられない」とか「干し上げして希少種などが見つかったら困る」などと言っていたそうだが、何もしない言い訳をしているとしか思えない貧弱な対応をしているようだ。いや、このまま放置して最悪の事態を招いた際にどのように責任を取るつもりなのかと問いたいぐらいだ。
 私の経験で言えば、都市公園のこのような問題はすでに20年以上前から全国で手がけられており、対策手法を勉強しようと思えばいくらでも事例はある。あまり予算もかけずに市民参加イベントとして成功させた例もたくさんある。
 あとは管理している行政がその気になるだけである。周辺住民は町内会を含め早く池の再生を願っているのだから、行政は周辺住民との連携を早く確立して事業を進めるべきである。
 水の専門家として今の別所沼をながめると、これ以上何もしない言い訳のための調査は必要ではなく、早期に今年の台風シーズン終了後にとるべき方策を周辺住民と協議すべきである。
 いまどき、政令市でこれほど後ろ向きで消極的な行政(管理職)もめずらしい!
別所沼公園(さいたま市)

八幡掘再生とまちづくりは前進する

 9月23日付でブログに掲載した近江八幡市の八幡堀の再生に向けて、地域の皆さんと行政との協働が再び動き始める。
10月以来、近江八幡市の観光物産協会、八幡掘を守る会、市役所の担当課の皆さんにお願いして、八幡堀の資料をたくさんご提供いただき、堀の水環境が抱える危険な現況と今後の改善対策について、私なりのご提案をさせていただいた。
河川管理者である県河港課でも私と守る会の方の話を熱心にお聞きいただいた。
八幡掘は近江商人が琵琶湖を経由して商品の積み下ろしをした近世商業社会の一つの拠点であり、周辺に広がる伝統的建造物群と一体となった歴史的遺産である。
これらの遺産も昭和40年代から再生の試みが始まり、一時は埋め立ての話もあった堀を、地域と行政の力で現在の姿に再生させたのものである。
その後10年以上たち、堀の現状は残念ながら良好なものではなくなり、増加する観光客の期待にも応えられないものとなっている。
このまま推移すれば、地域は国内でも一級の遺産を喪失してしまう危険がある、と私は強く訴えた。
ただ、この地域には今も八幡掘を守ろうとする力強い動きが現存しており、私の提案も快く受け入れていただいた。
先日、地域の市民団体の皆さん、市役所のご担当課の皆さん、そして県担当事務所の方が一堂に会して私の提案を聞いていただき、「何とかしなければならない」という点では一致していただいたと感じている。
あとはいかにして現実の動きをつくっていくかにかかっており、私もできる限りの応援をするつもりである。
地域の皆さんの新しい動きに注目したい。

八幡堀とまちづくり

 滋賀県近江八幡市では歴史的建造物を残した町並みと、八幡堀から水郷への水辺を活かしたまちづくりが進められている。
近年では観光客も増えてきているようなので、ご存じの方も多いと思う。
かつて私は北海道で居住している際に、「世界で一つしかない宝物」を地域の人たち自身で発掘し、それを地域の遺産として磨き上げることで、新しいまちづくりの姿が見えてくることをいつも強調し、実際にそれを実践していらっしゃるところもある。
テーマパークのような外来の遊び道具がことごとく失敗してしまった今こそ、まちにとって一番大切なのは「地域の文化」であることを、新しいまちづくりをしようと考えている方々にぜひ気づいてほしい。
滋賀県では「地域の文化」を自分たちの宝物として保全し、大いに利用しようという気風が目立つようになった。とてもうれしいことだ。
さて、標記の「八幡堀」だが近江商人が琵琶湖からの舟運を利用して物資を内陸部へ運び入れ、あるいは運び出す際に、蔵の近くまで掘った水路で両端は琵琶湖につながっている。この水路は舟運の役割を失った後、一時は見向きもされずに荒れていたものを、まちの人たちが意気高く復活させたものである。
この水路と歴史的建造物群、そして八幡山と八幡宮を一体的にまちづくり拠点とした市民の意気込みが伝わってくる。
ただ、残念なことに水路の「水」だけは自然物で琵琶湖の水位などの影響を受けるため、現在では流動性がなく水質の悪化が懸念材料ではある。
専門家の私としては何とかしたいと強い思いに駆られている。
地域の歴史と水辺の潤い(歴史や文化)とは一体のものであるからだ。
でも、1970年代の福岡県柳川の掘割を復活させた広松伝さんのことを私は思いだし、きっと市民は新しい姿の八幡堀を手にするだろうと確信している。なぜなら、今の八幡堀を「何とかしたい」と思っている市民の方が多くいらっしゃると私は感じているからだ。

近江八幡観光物産協会のHPアドレスは下記にあります。
http://www.omi8.com

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